とある、桜の樹の下にて。





 そして、終わりの鐘が鳴る。

 私はがむしゃらに階段を駆け降り、靴を履き替える手間さえもどかしく思いながら、外へと出た。探している人物はもうその辺りには居なかったが、恐らくの居るであろう居場所に、私は走って行った。既に空気は弛緩した暖かさを帯びていて、それが纏わりついてくるのを必死に振り切った。恐らく、今を逃すともう後は無いだろう。私はそんな確信めいた予感を抱きつつ、校舎裏にある、誰も寄りつかない中庭へと、辿り着いた。この時期、桜は既に満開で、しかし立地条件により誰に見せる事も無くひっそりと花弁を全身に纏わせていた。そして、その木の下には、予想通り、あの、綺麗だと司書の飯嶋先生が形容し、A組の姫として一目置かれ、私が高慢ちきのお嬢様と想像し、そして、かの双子が瞳を細めて愛した、

 一人の少女が立っていた。

 白いワンピースを身につけ、ただ桜を見上げているその姿は、美しいと言えなくも無かった。

 ・・・・・・わたくしに、何か用でも?

 桜が乱舞する中、私は、かつて双子の最も傍にいたであろう人物に出会う。そして彼女は恐らく全てを知っている筈であり、また唯一真実の実を抱えている人間でもあるのだ。

 は、初めまして。あの、貴女は、

 お待ちなさい。まずは自己紹介からでしょう。

 あまりにも尤もな突っ込みに、逸る私の気持ちも幾分か落ち着きを取り戻した。そしてそんな私の様子を夢見る様な蜂蜜色の瞳が捉え、彼女はふっと笑みを零した。その笑みは柔らかくそしてどこか寂しげで、女である私ですら不覚にも見とれるくらい、綺麗だった。

 えっと、私は鴉丸と言います。

 からすまる・・・。ああ、飯嶋先生が話していた子かしら。

 飯嶋先生、貴方は一体何を吹きこんだ。思わず、あの奇人変人を思い浮かべ拳を握りかけたが、深呼吸をすることでどうにか気持ちを落ち着けた。そうしている間も彼女はぼんやりと私を見つめていて、だが、彼女は私を見てはいなかった。彼女の瞳の蜂蜜色はとろりと蕩けて、瞳孔をも曖昧させていた。

 あの、

 何ですの?

 教えて、下さいませんか。あの本の、書かれていないエピローグ。あの双子は、本当は、どうなったんですか。

 彼女は笑みを深くした。桜が声を上げて泣く様に音を立てる。風が強い訳でもないのに何故、と首を傾げたくなるくらいの桜が舞っていた。貴女は、と彼女は不意に声を上げた。

 貴女は。どう思いまして?二人の、その後について。

 ・・・最後、二人は、いいえどちらか片割れでも、本当に死んでしまったのではないですか。そして貴女は、その、死んでしまった彼らが埋められた場所を、知っているのではないですか。誰に告げる事も無く、彼らは本当に死んでしまったのではないですか。

 私が一息で自分の考えを述べる間、彼女は酷く優しい表情で私を見つめていた。彼女は、かつて図書室で本を見つめていた頃の幼さは無い。瞳と同じ色の甘い甘い茶色の髪を、あの頃の三つ編みを解き、肩甲骨の所まで切りそろえている。だが笑うとあどけなさが垣間見えて、成程皆が彼女を称えた理由が分かった様な気がした。

 鴉丸さん、貴女は勘違いをしていますわ。エピローグは、きちんと書かれていますの。全て・・・・・・とは言いませんけれど、大体の真実も本の中にちゃんとありますわ。

 嘘・・・・・・。

 本当ですわ。だって、わたくしは。

 彼女はくしゃりと顔を歪めた。私は一瞬彼女が泣きだすのではと身構えたが、涙は零れることなく、だが彼女の口からはさらさらと言葉が零れていった。

 その為に、残されたのですもの。

 え。と私が彼女をまじまじと見る前に、彼女は澄ました表情に戻っていて、つい一瞬前そこに浮かんでいた感情を読み取ることはできなかった。かわりに、その澄ました表情は、私に言うことは無いとでも言う様に冷え冷えとしていたが、私とて引き下がる訳にはいかなかった。好奇心は何とやら。ここで撤退したら、私は一生自分を罵って生きることになるだろう。

 それに、貴女には何の関わりも無い人間の人生ですわ。さっさと忘れてしまいなさい。

 話はこれで終わり、とでも言う様に口を閉じた彼女に、私は思わず、あります。と噛みついた。

 関係、あります。少なくとも、あの本を読みました。斎藤君が書いた小説も、5年後の登場人物の話、も・・・・・・。

 鳥肌が立った。と、同時に、自分の迂闊さ、愚鈍さを呪った。そうか、タイトルが付いていたからてっきり斎藤君の小説とは違う、独立した話しだと思っていたけれど。また、話の形式上からも、読みとったことからも、飯嶋先生の言葉からも、斎藤君の「友人」が書いた、連作、創り話くらいの位置づけかと思い込んでいたけれど。慌てて彼女を見ると、彼女は私の心中を見透かすかのように、笑みを深めた。その笑みを見て、自分の考えの正しさを知る。
 5年後の登場人物の話。これこそが、斎藤君の小説の、エピローグだったのだ。 主人公である斎藤君と先輩が舞台から消えた後の、正しく後日談。斎藤君の小説がノンフィクションだったならば、その後に収録されている、同じ登場人物が出ていて何故フィクションだと思ったのか。変な先入観に私は囚われやすい性質らしい。尤も、斎藤君の小説ですら未だにノンフィクションとは思えない事からも、仕方なかったのかもしれないけれど。

 あのエピローグを書く為に、わたくしは、残された。5年という月日の後、登場人物を尋ね歩くのは中々愉快とも言えましたわ。

 ・・・・・・成程。エピローグは、書かれていた。それは分かりました。ですが、かの双子の行く末は、その中には描かれていませんでした。あるのは、各々が推測した二人の行方だけです。

 それで、いいのですわ。

 ゆっくりと、彼女は頷いた。何か、喉につっかえたものを飲み込むみたいに。私はと言うと、手に妙な汗をかきながらも、再び口を開いた。ずっと思っていた事を伝える為に。

 ・・・・・・私、ずっと思ってたんです。5年後の登場人物の話、あのエピローグは、本は、完成していないと。ささやかで、でも大きな欠落が、有ると。

 え。きちんとわたくしは、皆に話を聞きましたわ。

 一瞬目を泳がせた彼女は、それでもまた私を静かに見つめた。

 貴女の、思い出話がないんです。一番あの双子の傍に居て、本当の彼らと共に過ごした貴女の。本来なら一番ページを割かれて然るべきの貴女の話が。貴女の話が無い限り、あの本は完成しません。・・・・・・と、私は思います。

 最後は妙に弱気になってしまったが、私は彼女への視線をそらすことなく言い切った。ずっと、思っていたのだ。思い出話を聞いている人物が、あの三つ編みの少女、彼らが愛したあの少女であることは気付いてはいた。だが彼女は話を聞くだけで、自分は何も語らなかった。てっきり本の最後にでも彼女が何かしら語るのかと思えば、徹底して無言を貫くものだから、読み終わった後、どこか覚束なさを感じるのだ。彼女は聞き手であり、同時に登場人物でもあらねばならなかった。彼女だって、自分も何か語らなくてはいけない事に気付いてはいただろうに。だが、彼女は故意にか黙った。

 わたくしは、聞き手ですわ。思い出話は、相手がいて出来る事ですの。

 でしたら、私が新たな聞き手になりましょう。ほんの一瞬、人生が交差しただけの私が。貴女だけの、思い出の聞き手に。

 彼女は一瞬目を見開きぱちくりとさせたが、直ぐに笑い顔に取って代わり、貴女には負けましたわ。と酷く楽しそうに言った。我ながら相当恥ずかしいこと言っている自覚はある。だが、それ以上に彼女に語ってもらいたい思いで一杯だったのだ。何と言う若さゆえの過ち。どんどん黒歴史を生産している気がする。

 いいですわ。語りましょう。と、いっても、わたくしが語る事はあまり多くはありませんわ。ですから、過度な期待はしないように。そうですわね・・・貴女が聞きたいのは二人の最後でしたわね。

 ええ。

 貴女の予想は残念ながら、外れ。彼らは死んではおりませんわ。ただ、少し長い眠りについただけ。緩やかな生と死のスパンを繰り返していますの。わたくしは、そんな二人を葬った。彼らは死んではいませんわ。でも、彼らを取り巻く周囲との関係は、あの時一度死にましたの。

 ああ、成程。確かに彼らは周囲との関係性を強制終了させたのと同じかもしれませんね。

 彼らが眠りについたのは、先輩の卒業式の日ですわ。その日も、桜がとても綺麗でしたの。

 へえ・・・・・・。

 置いていかれるのは寂しかった。けれどもわたくしには先輩との約束もありましたし、約束が叶えられる日までの暇つぶしとしてあいつは小説を残していきましたの。ですからわたくしは続いていく毎日へぼんやりと微笑みながら、約束が叶う日を待ち続けた。春になると、ここへ赴いて飯嶋先生と会うのも、忘れずに。思えば飯嶋先生はもう相当この学校にいらっしゃる事になるんですわね。私立高校で、司書という立場とはいえ、最早図書室の魔物ですわ。

 確かに飯嶋先生は長いこといらっしゃるようですね。

 しかも、あの人、全くと言って良いほど老けないのですわ!毎年会う度、今年こそは先生の白髪を発見してやろうと思っても、あの人、髪も艶々のこげ茶の癖っ毛で、白髪一本見つけられませんの。

 それは・・・・・・。これからは先生に歯向かわないようにしておきます。

 そうなさい。呪われても知りませんわ。

 そう言えば、ずっと気になってたんですけど。何故貴女はあの香水を二人にプレゼントしたんですか?
 
 香水。

 小説の中で、いつぞやの誕生日祝いに、先輩にはバニラ、斎藤君にはミントベースの香水を。あの二人、小説の最後まで付けていましたよね。

 ああ、あれですか。わたくしの為ですわ。

 ・・・・・・?

 匂いはわかりますの。せめてあいつと先輩くらいは区別したいですわ。だから、香水で、香りで二人をいつも見分けていましたの。と言いますか、その他大勢と二人を見分けていた、と言うのが正しいですわね。二人だけなら、いつも一緒でしたし、区別する必要はありませんでしたもの。

 ああ、そうか。すいません。貴女は、

 人物が見分けられないのは、とうとう治りませんでしたわ。どの人を見ても、同じに見える。人の声ですら、全て同じに聞こえる。実の親ですら分からないのですから重症ですわね。

 『貴方は蟻の顔を見分けられまして?』 確か貴女は斎藤君にそう言ったんですよね。

 ふふ、懐かしいですわ。人物の認識が出来ない。それがわたくしが図書室の住人たる所以ですわ。
.
 そして、死なない姉と姉を殺す弟と言うのが、あの双子の住人である所以。何故の二人は死なないのでしょうね。

 さあ・・・・・・。わたくしが何故人が分からないのかと同じ次元の問題ですわ。

 風が一段と強くざわりと吹いた。たまたま風下に立っていた私は、最早凶器の様に襲いかかってくる桜の花弁に思わず目を閉じる。顔やら腕やらに花弁が纏わりつくのが分かる。髪やスカートを跳ね上げる風に内心舌打ちしつつも収まるまでやり過ごそうとじっとしていると、ざわりと鼓動が早くなった。
 風の中に含まれていた微かなそれ。真正面から風を受け止めたからこそ分かるそれ。その正体に私が思い至り、思わず呼吸が早くなる。どうして。そして私は気付くのだ。彼女はまだ、大切な事を話していないのだと。

 先程、約束とおっしゃっていましたよね。

 ええ。

 その約束の事を、教えて下さいませんか。

 彼女は少し躊躇った様だった。だが、直ぐに何かを諦めたのか、一つ溜息をついて私に向き直った。私の鼓動はどんどん速くなる。彼女は気付かない。風に背を向けているせいでもある。その分私は風と向き合っているせいで、着々と時が流れているのを悟るのだ。

 あの卒業式の日、連れていってほしいと言ったわたくしに、先輩が約束してくれましたの。

 ・・・・・・何をです?

 『7年後、貴女がまだ此方で生きていて、私達以上に大切な者が居なければ、その時は連れていってあげますよ』と。

 もしかして、7年後というのは、

 ごう、と一つ風が吹いた。ミントと、バニラの香りが洪水となって私を襲う。

 今日ですわ。

 そして物語は再び動き出す。彼女と向かい合っている私は、彼女の後方に二人の人間が立った事に気付いている。彼女の白のワンピースと反する様な、黒のセーターに身を包んだ二人。彼らはまるで時間が止まった様に、本の中と同じ(多分)で、風がその深い黒の髪を揺らしている。成程、確かに彼らは顔立ちがそっくりで、性別の差さえなければ恐ろしいほど瓜二つになるのだろう。男女の双子で一卵性は無いと言うが、逆に二卵性であることを疑ってしまうくらいのそっくりさだった。
 
 「アリス」

 そう呼んだのは、双子のどちらだったのか。だが呼ばれた本人は弾かれた様に後ろを振り返り、驚きか感動のあまりか、顔に手を当てたまま硬直していた。彼女がかの双子の方を向いてしまった為、私の方からは彼女の表情が見えない。だが、双子の顔、少し苦笑気味の顔を見るに、彼女は恐らくは泣いているのではないだろうか。少し鼻を啜る音も聞こえるし。
 いつまで経っても何も言わない彼女ことアリスに声をかけたのは、双子の片割れ、斎藤君の方だ。

 おーい。アリス?北川有栖さん?

 ・・・っ、うっさいですわね!少しはその喧しい口を閉じたらどうですの!?

 くすくす、と笑い声を小さく上げるのは、先輩、の方だ。一気に、過去に戻った様だった。体験していない私ですら、彼らが図書室内でこんな風に日常を過ごしていた事を容易に想像できる。物語の登場人物が目の前で動き、喋り、呼吸をしている。何かもう、かの双子が、死んだとも駆け落ちしたとも様々な憶測が飛び交った二人が、あっさりと彼女曰くの長い眠りから覚めてそこにいること自体への驚きなんて遠い彼方だ。登場人物に出会えた事に私はかなりの感動を噛みしめながら、同時に自分の立場の自覚もしていた。私は、傍観者だ。物語の本当の終わりを知る為の。

 今度こそは、連れていって下さいますわね?わたくし、7年も待ちっぱなしでしたわ。

 いいのですか?

 ぐずぐずと鼻を啜りながら涙声で言うアリスに、先輩が静かに聞いた。アリスはそれに噛みつくようにして、いいに決まってますわ!と威勢よく啖呵を切った。

 でも、私達と一緒に来てしまうと、もう今までの生活には戻れませんよ?私達は最早、社会的にも死んだ人間ですし、それに、

 もう違う世界の住人だしね。

 先輩の言葉を、斎藤君が引き継ぐ。そうか、だから7年。7年という時間は彼らが完全にこの世界との関係を断つ為の必要な時間なのだ。社会的に、戸籍的に死んだと、判断される7年。永遠とも一瞬ともとれるその時間を、彼女は、彼らはどういう想いで過ごしたのだろうか。

 わたくしなんか、生まれた時から違う世界の住人ですわ!生まれた時から人とは違う世界を見てきたわたくしにとっては、貴方方なんてまだまだひよっこですわ!

 そりゃまあ、周りの人間全部同じに見えたらそうだろうけれども。それでもアリスは、まだまだ私が生きている、いわゆる普通の世界で息をしている。もしかして、と私はふと思った。普通の世界で息をしていながら見ているものは違う世界なものだから、彼女は人が認識できないのではないだろうか。もし彼女が違う世界で息を吸い始めたら、違う世界の住民になれば、同じ住民同士、彼等を認識することが出来るのでは?それは他愛も無い空想で、私はそれを直ぐに頭の何処かに追いやりながら、でもそうなればいいのにと甘っちょろい幸福を願った。
 そして、アリスは大きく涙をぐいっと拭ってから、彼らの元へ走って行った。桜が狂ったように舞っている。そしてどーん、絶対に放すものかとでも言う様に、ぎゅうぎゅうと二人に抱きついていた。そんな彼女の頭を優しく撫でながら、姉と弟、4つの瞳が私をとらえた。何故ここに?という疑問を僅かに乗せながら、それでも目礼する彼ら。そろそろ、終演の時が、近付いていた。

 それじゃあ、行こうか。

 ええ、行きましょう。

 互いに頷き合う双子に、不安そうに瞳を揺らす彼女。ゆっくりと、彼女は抱きついていた二人から離れ、おどおどと立っていた。そんな彼女に、双子は悪戯っぽく笑った。

 ね?アリス。

 右と左、差し出された二つの手に、彼女は嬉しそうに顔を輝かせた。そして、勿論ですわ!と彼女は二つ差し出された手に、自分の二つの手を乗せて、きゅ、と握った。そして歩き出す3人を、私は酷く幸せな気持ちで見つめていた。何ともハッピーエンド、大団円ではないか。私は最後はかなりの空気だったと自負しているが、彼らが校舎の陰に消える直前、彼女が一瞬私に微笑みかけた。それだけで彼女だけの思い出の聞き手であり、物語の本当の終わりを見る為の傍観者たる私は十分だ。
 何とも言えない気持ちになって、思わず桜の根元に座り込む。きっとこの結末を、私は文字にし、そしてあの本に挟むだろう。そしてそっと、その本を図書室の本の森の中へ隠すのだ。また誰かがその本を拾い上げるまで、幾ばくの時が必要だろうか。7年と言う時を経て、3人の書き手によって漸く、あの物語は完結するのだ。ハッピーエンドと言う幸福な終わりを残して。そして、物語の最後を文字に出来る事に、私は言いようの無い喜びを覚えた。つまらない、灰色の生活が嫌で図書室に逃げて、そこであの本に出会って。小説の様な物凄い冒険も、甘酸っぱい恋愛も、非日常な事は殆どなかったが、中々に愉快な毎日だったように思う。尤も、最後、結末は相当にファンタジックだったが。まあ、そこは遠い忘却の彼方に場外フライ並の勢いで捨て去ろう。彼等にとっては、あれが普通だったのだろうし。
 結末を本に挟み棚に戻したら、私はもう以前と変わらぬ日々へ戻るだろう。恐らく、図書室に来る事も無いだろう。それでいいと思っているし、そもそも今までの、彼らを追っていた日々がイレギュラーだったのだ。



 さて、そろそろ文字数もかなりの量になってきた。幾ばくかの寂寥の念もあるが、ひとまずここでカーテンを閉めたいと思う。名に秘密の文字を冠する双子と、この世界を彷徨ったアリスのTwins meet girlはハッピーエンドという形で終わった。長い長い一風変わった青春物語は、どうやら私とは前方右79度にずれた所にある世界で続けられているらしい。纏めれば、彼らはどうやら幸せな様ですよってことだ。
 
 終わりの鐘が鳴った時、全ては再び動き出した。